【470】↓
【420】↓
これまでに420、470の穴を開けられる場所について記事にしてきました。
420、470とスナイプが大きく違うところは積層構造です。
具体的には470、420はガラスと樹脂のみでできている【単板】が主たる構造ですが、スナイプの場合は単板と単板の間に発泡体などが挟まった【サンドイッチ構造】です。
単板はただのプラスチック板なので水に対して特に対策をしなければならないということはありません。(もちろんフォア/サイドタンク部分はエアタンク内にアカが入らないような対策は必要です)
ですが、サンドイッチ構造となると話は変わります。サンドイッチ構造は軽い発泡体を比較的薄いFRP板で挟んだ構造なので厚みの割に軽く、強度もあります。しかしピンポイントに掛かる力には弱いです。ですので例えばサンドイッチ構造の部分に新しいパーツをボルトナットで取り付けようとして強く締めると面が座屈(中の発泡体が潰れて陥没してしまうこと)してしまいます。その対策として予めパーツが取り付くと予想される場所は、発泡体を入れずにガラスの層を増やして厚みを稼ぎ強度を上げ、かつボルトナットで締め付けても座屈しないようになっています。
1枚目: サンドイッチ構造のイメージ(写真はラダー断面)
2枚目: 470の単板構造(単板では強度が出ないのでリブを配置して強度を出している)
下の図ではスナイプの部位ごとの穴の開け方を示しています。
赤: 単板、シリコンなどで止水処理が必要
黄: サンドイッチ構造、できれば穴は開けたくない部分
青: 薄いサンドイッチ構造、止水処理をすれば穴あけ可能、ネジの締め過ぎ注意
緑: 単板、止水処理無しで、穴あけ可能
緑で示した予めパーツが付く場所は穴あけ、ネジ締め付けともにOK。
基本的にはこの場所にパーツを付けることが多いのではないでしょうか。
デッキを透過させてコックピット(赤色部分)が見えるようにしています。
赤色部分の内側であれば穴を開けてもエアタンク内に貫通してしまうことはありません。
ハルは見えなくしています。前からのイメージ。
色分けしそこねましたがガンネルのハルとデッキの貼り合わせ部分は、穴を開けても問題ありません。ただ穴を開けた後ガンネルの張り合わせのパテがしっかりと詰まっていることを確認して下さい。もし隙間があればパテや樹脂を詰め込んで塞ぎます。
横から見たところ。
マストホール両側の青色部分は薄いサンドイッチ構造になっています。どうしてもパーツをこの場所に取り付けたい場合は大きめのワッシャーを使うなどしてピンポイントの力がかからない工夫をします。
通常クルーのコントロールロープがある階段状の場所ももちろん単板になっていて、加えてそのガンネル側約150mmほどの場所もエンドレスのロープがデッキ内に入る穴をあけるために単板にしてます。
ジブレール、ヘルムスマンコントロールロープ付近。
ここもクルーのコントロールロープの階段部分と同じくエンドレスのロープがデッキ内に入る穴のためにガンネル側に向かって単板になっています。
ダガーボードケースとフットレストは、コックピットにネジで止めている面以外は単板でエアタンクともつながっていないので、止水処理無しで穴を開けてパーツを取り付けることができます。
コックピット後方
今回載せているのは現行のスナイプの積層構造の配置です。
PMJの船でもできた時期によって細かい変更があるので注意して下さい。
もちろん他メーカーの船ともなれば全く異なった構造でもおかしくはないので穴をあけるときは裏側を覗き込んでどのような構造になっているか必ず実際に確認しましょう。
サンドイッチ構造の部分は叩くと中が空洞のような音で、単板部分の詰まった高い音とは違うので叩いてみることも判断の材料になります。
どうしても開けてもいいかわからないときはメーカーの人に聞いてみるて下さい。一番確実です。笑
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