新型ピアソン470~軽風域のチューニング~
JPN55のコーチ吉田雄悟(PMJ)より、軽風域のチューニングについてまとめてもらいました。
軽風域でより早く走るために是非参考にしてみてください。

4-9ノット(クルーが下デッキ、中デッキ、軽くトラピーズに乗る)の軽風セッティング
| 2-5ノット | 4-6ノット | 5-7ノット | 7-9ノット |
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クルー乗艇位置 | 下デッキ | インデッキ | オンデッキ | トラピーズ |
マストステップ(mm) | 3075 | 3075 | 3090 | 3105 |
サイドテンション(±1) | 35-36 | 35-36 | 35-36 | 35-36 |
レーキ(±10mm) | 6780-6750 | 6780-6750 | 6780-6750 | 6750 |
ベンド(mm) | 85-95 | 85-90 | 80-85 | 70-75 |
プラー | ニュートラル | ニュートラル | ニュートラル | ニュートラル |
軽風コンディションでのピアソン艇セッティング
ピアソン艇は基本的にヘルムがニュートラルのため、軽風はマストステップを後ろにさげてウェザーヘルムをつけてあげるとクローズの角度が高く、走らせやすくなる傾向にある。同時にセール全体が浅くなるのでセールが引き込みやすくもなる。ここで重要なことはクルーのポジションがどこの位置でバランスをとっているかということ、分岐点は2人ともデッキに座ってバランスをとっている、もしくは軽くトラピーズにのってバランスをとっているところだろう。
テンションゲージ
部内に数個ゲージがある場合は毎回同じものを使うか、複数のものでテンションを測るようにする。
テンションゲージのワイヤーに当たる円筒形(白い樹脂)パーツが削れている場合は、ネジを緩めパーツを回して削れていない面で測ると良い。
古いゲージはこのパーツが削れていてテンション低く出ることがある。
マストステップ
クルーがトラピーズに乗るかどうかで考える
クルーが常時、下デッキ、インデッキの場合は2つ下げる。
マストレーキ
私はマストのメインハリヤードロックで固定して測定している。
※使用するメジャーによって始まる値が違うので要注意!
セッティングの位置はクルーがハーフトラピーズになるかならないかで考える。
ハイレーキの場合にテンションを高くするとレーキが高くなりすぎるが、この場合テンションを少し下げてレーキで合わせてあげてもよい。
ベンド
フルトラピーズを基本ベースに考え、『オンデッキ』『インデッキ』『下デッキ』と使い分けていく。メインシートを引いてきた時に、もう少しメインを引きたいけどリーチが先に閉じてしまう、といった場合はベンド量を増やす。
テンション(ジブハリヤード基準で同じ位置までテンションを引く場合)
マストベンドを増やすとテンションが低くなる。
若干テンションを増し引きすることでベンドも出やすくテンションも近い値になる。
ジブのピーク高さ(フットをデッキにつけてあげる)
ベンド、テンションを増やすとレーキが高くなりジブのピーク高さが高くなる傾向にある。また、ハイレーキにしたときもジブが高くなる。この様な場合、ジブのピーク高さを下げてフットをデッキにつける。
ジブが高いままだとジブのリーチがとじやすく、風のながれが悪くなる。
センターボード
フルトラピーズ時90度位置が基本。
この位置は陸上で船を横倒しにして、センターを出し、船にL定規をあて、船底に対してセンターボードのリーディングエッジ(前辺)が90度になるところでセンターボードの上部ネック部分に基準となる線を引き、目安とする。
ハーフトラピーズまではセンターボードを前に振ることで、上り角度を向上させることができる。