アップデートがあり次第随時更新していきます。
・風信盤でわかること
風信盤 (sailors vane) は実際の風向を計って、計った風向と風信盤に刻まれている角度を合わせることで;
ポートタック、スターボードタックのクローズの角度
ランニングの角度
スタートラインの角度
各マークの角度
がわかります。
セーラーは風信盤の数値と走っているときのコンパス角度を比べることで風がどちらに振っていいるのかが分かるので、コース取りの参考にすることができます。また広い海面や、見通しの悪いコンディションの様にマークを目視できない時でも、とりあえず次のマークに向かって正しい角度に走ることができます。
セーラーのみならずレース運営をしている人も風信盤で各マーク角度が分かるので、マークの設定角度を風信盤であわせるだけで角度計算する必要がなく、振れが多くマークの打ち替えが多い時でもひと目でマーク角度がわかります。
・使い方
風向を計って風信盤のW (=Wind direction=風向) の矢印を角度に合わせる。(このときできれば風の振れの中間をとるー例えば350°~10°で振れているときは0°に設定)
Upwind Mark に上マークの設定角度を合わせる。
これで風信盤の設定は終わりです。
ここからは設定した風信盤から読み取れることの紹介です。
1.設置されたマークと実際に吹いている風のズレ
レースの運営員は吹いている風に対してできるだけマークを理想通り設置しようとしますが、もちろん自然相手なので毎度そんなに上手くは行きません。実際のマークの角度と実際の風向を照らし合わせるとどちらかに傾きます。これをレースをしながら計算するのは非常に困難ですが、どちらに傾いているのか、またその時の風に対してプラスに走っているのか、マークに対してはどうなのかもひと目で分かります。ー例えばタックアングルが90°の船で上マーク設定角度は0°、実際に吹いている風の風軸が10°のとき。マークに対してはスターボード315°とポート45°がイーブンですが風軸がズレていることで風に対してはスターボード325°、ポート55°がイーブンになります。このズレに気づいてば風に対して振れタックができる(気づいていなければマークに対してスターボードがプラスなのでそちらに伸ばしがち)様になります。
2.クローズホールドの角度
赤と青の線が風向に対してのクローズホールドの角度を示します。5°刻みで35°、40°、45°、50°に記されています。中心まで伸びている長い線が45°です。艇種や、風速でタッキングアングルが変わるので実際にタックしてみてタックアングルを確認しておきましょう。例えばタッキングアングルが80°のときは80÷2=40°の線を見ます。写真の場合はスターボードタックが40°、ポートタックが320°で走っているときがイーブンです。ですので実際に走っているときコンパス角度がスターボードで315°だと5°マイナスを走っています、タックをしても良いかもしれませんね。逆にポートで35°で走っているときは5°プラスを走っているのでそのまま走って大丈夫という判断材料になります。
3.ランニング(フリー)の角度
Wの反対側がランニングでのデッドラン(真後ろから風を受けて走っている状態)の角度です。これよりマークがコンパス角度でマイナス側にあるときはポートロング(上マークをまわった後すぐジャイブ)、プラス側にあるときはスターボードロングになります。難しく考えなくてもイラストでわかりやすくしているので安心して下さい。
4.スタートラインの傾き
本部船からスタートアウターマークに向かって真っ直ぐ走ったときのコンパス角度が"←"よりプラスの場合はアウター側(下)有利、マイナスの場合は本部船側(上)有利になります。これも"+"と"-"マークを付けているので直感的にわかると思います。
5.各マークの角度
風信盤の一番外側の目盛りは以下のマーク角度を示しています。
a.Upwind Mark =下から見た上マーク角度
b.Downwind Mark =上から見た下マーク角度
c.Signal Boat =スタートアウターから見た本部船角度
d.Start Outer Mark =本部船から見たスタートアウターマーク角度
e.Mark2→1 =マーク2から見たマーク1角度
f.Mark1→2 =マーク1から見たマーク2角度
g.Finish→Mark3 =フィニッシュから見たマーク3角度
h.Mark3→Finsh =マーク3から見たフィニッシュ角度
実際にレース人出る人が見るのは黄色く印をした角度になると思います。
レース運営をする人はすべて見るとマークを打ちやすいでしょう。
・取り付け場所
取り付け場所は見やすくアクセスしやすい場所に両面テープ等を用いて取り付けます。
ロープなどは引っかかることがあるのであまりごちゃごちゃとした場所には取り付けないほうが良いです。
スナイプの例
470/420の例
・その他情報
回転の固さ調整
セーリング中に意図せず回ってしまう(中心のリベットがゆるい)場合は硬いものの上で中心のリベットをハンマーで軽く叩いて下さい。
強く叩きすぎると回らなくなったり、壊れてしまいますので、軽く一回叩く毎に回転させてみて少しずつ 調整して下さい。
旧タイプの風信盤(sailor's vane)について
旧タイプをお使いの方も
60°
120°
240°
300°
の外周にラインと
start line の上下に "+""-"マークを書き足すことで Ver.2 と同じ情報を表示できます。
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