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ピアソン470ニューモールドのお話②

Written by "Team JPN55" コーチ 吉田 雄悟


↓前回の続き(https://www.perssonmarinejapan.com/post/%E3%83%94%E3%82%A2%E3%82%BD%E3%83%B3470%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%89%E3%81%AE%E3%81%8A%E8%A9%B1)


全日本470からテストを繰り返しと先に記述しましたが、これは船のバランスを前後や高低に変化をつけてみたり、マストが真っ直ぐ立ちやすくなるような工夫を加えたりと多岐にわたります。



↑デッキとマストステップが乗っている部分が一体成型になっているのでデッキ上のサイドステー取付部とのズレが少なく、船にマストがまっすぐ立ちやすい。

サポートボートや選手のフィードバックからバウの浮き具合や、ピッチングの速さ、またバウのささり具合、スピードの立ち上がり方など情報を収集し、同じコンディションや違うシチュエーションなどで何度もモーメントのテストを繰り返してきました。

ジブリーダーの高さを変えることにより、ジブシートをより外側でリードすることができるようになっています。小さな変化ですが、この小さな変化の積み重ねがボートスピードを上げていく工夫につながります。

また、このニューモールドから皆さんがセーリングの再現性を高められるような工夫も施されています。これは、吉田木村組が使用しているバウのアタックライン(目印シール)が毎回「同じところにテープが貼れるようにしたい」とリクエストがきたことにあります。



↑新型470には様々なケガキ線(赤で示した線)がついている。ケガキ線はモールドに直接ついているのでそのモールドからできた船には全て全く同じ場所に印がつく。
フォアデッキ上のジブセール用の印以外にも、各フィッティングの目印やセンターラインを示すものもあり、左右対称の船を作るためには欠かせないものである。

船を乗り換えた時に目安が同じ位置に付いていれば、再現性が高くなり、テストセーリングなどで比較する時の目安にもなります。セールカーブの違いなのか、船の違いなのかなど分かりやすくするためにも同じ場所に印があることは重要なことなのです。

学連では1艇だけでの戦いではないので、普段からジブの深さなどチーム内で共有できればセーリングの上達にもつながります。セーリング競技は練習で良い走りを見つけその良いところを活かしながら、風を拾っていく競技です。練習でもレースでも自分のセーリングを再現するためにチーム内でしっかりと何をどこにつけるのかなど話し合ってみてはいかがでしょうか。

吉田木村組の船を見かけたら話かけてみてください。きっと何かヒントがみつかるでしょう。


ピアソン470ニューモールドの話 (完)

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